一般乗用旅客自動車運送事業(患者等輸送事業)の許可申請事案等の審査について

 関係法令: 道路運送法  
                  道路運送法施行令  
                  道路運送法施行規則

  四国運輸局 許可基準(患者等輸送事業)

1 業務の範囲
  次に掲げる者及びその付添人の輸送に限る。
  (1)介護保険法(平成9年法律第123号)第7条第3項にいう「要介護者」及び第4項にいう「要支援者」
  (2)身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第4条にいう「身体障害者」
  (3)(1)(2)のほか、肢体不自由、内部傷害(人工血液透析を受けている場合を含む。)、精神障害、知的障害等
    により単独での移動が困難な者であって、単独で公共交通機関を利用することが困難な者。
2 許可
 (1) 営業区域
   @ 県単位とする。
   A 営業区域に営業所を設置するものであること。
 (2) 営業所
   配置する事業用自動車に係る運行管理及び利用者への営業上の対応を行う事務所であって、次の各事項に
    適合するものであること。
   @ 営業区域内にあること。なお、複数の営業区域を有するものにあっては、それぞれの営業区域内にある
     こと。
   A 申請者が土地、建物について、3年以上の使用権原を有するものであること。
   B 建築基準法(昭和25年法律第201号)、都市計画法(昭和43年法律第100号)、消防法
    (昭和23年法律第186号)、農地法(昭和27年法律第229号)等関係法令の規定に抵触しないものである
     こと。
   C 事業計画を的確に遂行するに足る規模のものであること。
 (3) 事業用自動車
   @ 申請者が使用権原を有するものであること。
   A 使用車両は、次に掲げる自動車とする。
     (イ) 車椅子若しくはストレッチャーのためのリフト、スロープ、寝台等の特殊な設備を設けた自動車、又は回     
  転シート、リフトアップシート等の乗降を容易にするための装置を設けた自動車。
     (ロ) (イ)によらず、セダン型等の一般車両を使用する場合にあっては、介護福祉士若しくは訪問介護員若
       しくは居宅介護従事者の資格を有する者又は社団法人全国乗用自動車連合会等が実施するケア
       輸送サービス従事者研修を修了した者が乗務する自動車。
  (4) 最低車両数
    1営業所に1両以上の事業用自動車を配置するものであること。
  (5) 自動車車庫
    @ 原則として営業所に併設するものであること。ただし、併設できない場合は、営業所から直線で2キロメー
      トル以内の営業区域内にあって運行管理をはじめとする管理が十分可能であること。
    A 車両と自動車車庫の境界及び車両相互間の間隔が50センチメートル以上確保され、かつ、営業所に配置    
  る事業用自動車の全てを収容できるものであること。
    B 他の用途に使用される部分と明確に区画されているものであること。
    C 申請者が、土地、建物について3年以上の使用権原を有するものであること。
    D 建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。
    E 事業用自動車の点検、整備及び清掃のための施設が設けられていること。
    F 事業用自動車の出入りに支障がない構造であり、前面道路が車両制限令(昭和36年政令第265号)に     
 抵触しないものであること。なお、前面道路が私道の場合にあっては、当該私道の通行に係る使用権原を
      有する者の承認があり、かつ、当該私道に接続する公道が車両制限令に抵触しないものであること。
  (6) 休憩仮眠施設
    @ 原則として営業所又は自動車車庫に併設されているものであること。ただし、併設できない場合は、営業     
  所及び自動車車庫のいずれからも直線で2キロメートルの範囲内にあること。
    A 事業計画を的確に遂行するに足る規模を有し、適切な設備を有するものであること。
    B 他の用途に使用される部分と明確に区画され、かつ、事業計画に照らし運転者が常時使用することができ    
   るものであること。
    C 申請者が、土地、建物について3年以上の使用権原を有するものであること。
    D 建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。
  (7) 管理運営体制
    @ 法人にあっては、当該法人の役員のうち1名以上が専従するものであること。
    A 営業所ごとに、旅客自動車運送事業運輸規則(昭和31年運輸省令第44号、以下「運輸規則」という。)     
  第47条の3の規定により義務づけられる常勤の有資格の運行管理者の員数を確保する管理計画がある
      こと。この場合において、運輸規則第22条第1項に基づき四国運輸局長が指定する地域において法第23
      条の2第1項第2号の規定により運行管理者資格者証の交付を受けた者を運行管理者として選任する場
      合には、申請に係る営業区域において5年以上の実務の経験を有するものであること。
    B 運行管理を担当する役員等運行管理に関する指揮命令系統が明確であること。
    C 自動車車庫を営業所に併設できない場合は、自動車車庫と営業所とが常時密接な連絡をとれる体制が整
      備されるとともに、点呼等が確実に実施される体制が確立されていること。
    D 事故防止についての教育及び指導体制を整え、かつ、事故の処理及び自動車事故報告規則(昭和26年
       運輸省令第104号)に基づく報告等の責任体制その他緊急時の連絡体制及び協力体制について明確に
       整備されていること。
    E 上記A〜Dの事項等を明記した運行管理規程が定められていること。
    F 運輸規則第36条第2項に基づく運転者として選任しようとする者に対する指導を行うことができる体制が確
      立されていること。
    G 運転者に対して行う営業区域内の地理及び利用者等に対する応接に関する指導監督に係る指導要領が
      定められているとともに、当該指導監督を総括処理する指導主任者の選任計画があること。
    H 原則として、常勤の有資格の整備管理者の選任計画があること。ただし、整備管理者を外部委託する場 
      合は、事業用自動車の運行の可否の決定等整備管理に関する業務が確実に実施される体制が確立され
      ていること。
    I 利用者等からの苦情の処理に関する体制が整備されていること。
  (8) 運転者
    @ 事業計画を遂行するに足る員数の有資格の運転者を常時選任する計画があること。
    A この場合、適切な乗務割、労働時間、給与体系を前提としたものであって、労働関係法令の規定に抵触す 
     るものではないこと。
    B 運転者は、運輸規則第36条第1項各号に該当する者ではないこと。
    C 定時制乗務員を選任する場合には、適切な就業規則を定め、適切な乗務割による乗務日時の決定等が 
    適切になされるものであること。
  (9) 資金計画
     @ 所要資金の見積もりが適切であり、かつ、資金計画が合理的かつ確実なものであること。なお、所要資 
       金は次の(イ)〜(ト)の合計額とし、各費用ごとに以下に示すところにより計算されているものであること。
      (イ) 車両費取得価格(未払金を含む)又はリースの場合は1年分の賃借料等
      (ロ) 土地費取得価格(未払金を含む)又は1年分の賃借料等
      (ハ) 建物費取得価格(未払金を含む)又は1年分の賃借料等
      (ニ) 機械器具及び什器備品取得価格(未払金を含む)
      (ホ) 運転資金人件費、燃料油脂費、修繕費等の2か月分
      (ヘ) 保険料等保険料及び租税公課(1年分)
      (ト) その他創業費等開業に要する費用(全額)
    A 所要資金の50パーセント以上、かつ、事業開始当初に要する資金の100パーセント以上の自己資金が
       申請日以降常時確保されていること。なお、事業開始当初に要する資金は、次の(イ)〜(ハ)の合計額とす
     る。
      イ) @(イ)に係る頭金及び2か月分の分割支払金、又は、リースの場合は2か月分の賃借料等。ただし、一
        括払いによって取得する場合は、@(イ)と同額とする。
      (ロ) @(ロ)及び(ハ)に係る頭金及び2か月分の分割支払金、又は、2か月分の賃借料及び敷金等。
        ただし、一括払いによって取得する場合は、@(ロ)及び(ハ)と同額とする。
      (ハ) @(ニ)〜(ト)に係る合計額
  (10)法令遵守
    @ 申請者又は申請者が法人である場合にあってはその法人の業務を執行する常勤の役員が、一般乗用旅
      客自動車運送事業の遂行に必要な法令の知識を有するものであること。
    A 申請者又は申請者が法人である場合にあってはその法人の業務を執行する常勤の役員(いかなる名称に
      よるかを問わず、これと同等以上の職権又。。)( 「は支配力を有する者を含む以下同じ以下申請者等」と
       いう。)が、次の(イ)から(ニ)に該当する等法令遵守の点で問題のないこと。
       (イ) 法、貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)及びタクシー業務適正化特別措置法(昭和45
          年法律第75号)等の違反により申請日前3ヶ月間及び申請日以降に50日車以下の輸送施設の
           使用停止処分又は使用制限(禁止)の処分を受けた者(当該処分を受けた者が法人である場合に
          おける当該処分を受けた法人の処分を受ける原因となった事項が発生した当時現に当該処分を受
          けた法人の業務を執行する常勤の役員として在任した者を含む。)ではないこと。
       (ロ) 法、貨物自動車運送事業法及びタクシー業務適正化特別措置法等の違反により
         申請日前6ヶ月間及び申請日以降に50日車を超え190日車以下の輸送施設の使用停止処分又
         は使用制限(禁止)の処分を受けた者(当該処分を受けた者が法人である場合における当該処分を
         受けた法人の処分を受ける原因となった事項が発生した当時現に当該処分を受けた法人の業務を
         執行する常勤の役員として在任した者を含む。)ではないこと。
       (ハ) 法、貨物自動車運送事業法及びタクシー業務適正化特別措置法等の違反により申請日前1年間及
         び申請日以降に190日車を超える輸送施設の使用停止処分又は使用制限(禁止)の処分を受け
          た者(当該処分を受けた者が法人である場合における当該処分を受けた法人の処分を受ける原因
          となった事項が発生した当時現に当該処分を受けた法人の業務を執行する常勤の役員として在任
          した者を含む。)ではないこと。
       (ニ) 自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律(平成13年法律第57号)の違反により申請日前
         2年間及び申請日以降に営業の停止命令、認定の取消し又は営業の廃止命令の処分を受けた者
          (当該処分を受けた者が法人である場合における当該処分を受けた法人の処分を受ける原因となっ
          た事項が発生した当時現にその法人の業務を執行かる常勤の役員として在任した者を含む。)では
           ないこと。
  (11)損害賠償能力
     旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運行により生じた旅客その他の者の生命、身体又は財産の損
     害を賠償するために講じておくべき措置の基準を定める告示(平成17年国土交通省告示第503号)で定める
    基準に適合する任意保険又は共済に計画車両の全てが加入する計画があること。
  (12)条件等
    当該事業の許可にあたっては、以下の条件を付すこととする。
     @ 1による当該輸送の対象
     A 2(3)Aによる当該輸送に使用する自動車
     B 営業所のみにおいて輸送の引受けを行うこと。
     C 使用する車両には、外部から見やすいように車体の側面に患者等輸送事業に用いる車両である旨次の
       事項を表示すること。
       (イ) 事業者の氏名、名称又は記号
       (ロ)「患者等輸送車両」の文字
       (ハ)文字はステッカー、マグネットシート又はペンキ等による横書きとし、自動車の両側面に行うこと。ま
          た、文字の大きさは縦横50ミリメートル以上とする。




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